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Channel: 宇宙の歩き方
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2018年のトラベラー界隈まとめ

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 来るべき『トラベラー50年史』(鬼が笑う)に向けて、備忘録代わりに2018年のトラベラー界隈の出来事(主に出版物)をまとめておきます。
グレゴリー・リーの死去で執筆者が絶えたかに見えたTraveller5にまさかの新作。『Gazelle-Class Close Escorts』はタイトル通りに懐かしのガゼル級巡洋艦をT5ルールとデッキプランで徹底解説。シリーズ化の計画もあるようだが続刊は未定。
ローレン・ワイズマン追悼本『GROGNARD: Ruminations on 40 Years in Gaming』の電子版も発売。投資者特典だったJTAS Online復刻版の一般販売は現時点ではなし。
歳末恒例?の電子版『Starter Traveller』無料セールが今年も行われる。なお、終了期日は全くの未定。

年初から立て続けに「Great Rift Adventure」シリーズの『Islands in the Rift』『Deepnight Endeavour』『Flatlined』、『Marches Adventure 2: Mission to Mithril』『Reach Adventure 5: The Borderland Run』とシナリオ群を展開したMongoose Publishing。2018年を今後の「第五次辺境戦争モジュール(仮)」に向けて足場固めの年と位置づけていたはずだったのだが、2月発売予定だった『Element Class Cruisers: Ship Builder's Blueprints』が11月までずれ込んでしまったことで、発売予定だった『Shadows of Sindal』『Behind the Claw』『2300AD 第2版』といった製品が軒並み無期延期に。
12月になってようやく『Naval Adventure 1: Shakedown Cruise』『Traveller Companion』が発売された。特に後者は2016年の第2版移行時から発売予告されていたものであり、2年越しでようやくお目見えとなった。待たせただけあってその内容の濃さから、発売後は販売サイトDrivethruRPGの総合売り上げ1位に君臨する大ヒットに。
実のところマーティン・ドハティ(通称MJD)1人しか執筆者がいない、という脆弱さが顕になったわけだが、ファンの間では「MJDが1人『しか』いない」ことに衝撃が走った(笑)(注:ドハティはその仕事の速さと量からクローン複数人説が以前から囁かれていた(もちろん冗談で))。
TAS(Travellers' Aid Society)では、かつて『Traveller Chronicle』誌に参加していたChristopher Griffenによるシナリオ『Iron Spine』『Tktk Convergence』『Makergod』、ティモシー・コリンソンの新作シナリオ『Ashfall』『Ashfall II: Under the Dome』、『2300AD』のコリン・ダンによる小物データ集「Edge of Space」シリーズ、El Cheapo Productsによるペーパーフィギュア集などが出されたものの、特筆すべきものは特になく(特筆すべきほど酷い製品はあったが…)。
「Foreven Worlds」シリーズのJon Brazer Enterprisesが丸1年の沈黙を破ってTASに復帰。『Single Ship: Gannet Armed Cargo Transport』を公開。
Cehepus Engine向けにコツコツとデッキプラン集を出していたPyromancer Publishingが、9月以降なぜかTASに鞍替え。
『Traveller Starter Set』がオリジン賞候補に選出されるも落選。
「Traveller: Liftoff」の資金調達に失敗してから活動休止状態だったドイツの13Mann Verlagが、8月に同じくドイツのPrometheus Gamesの傘下に入ることで合意(製品出荷再開は11月からだった模様)。今後、未発表のままだったMongoose版トラベラー初版翻訳製品を出してから第2版に移行する旨も公表。

依然として活発なCepheus Engine陣営。Moon Toad PublishingからはPrint on Demand対応の再編集版ルールブック『Cepheus Engine RPG』、拡張宇宙船設計ルール『Spacecraft Design Guide』が、Stellagama Publishingからは軽量版ルール『Cepheus Light』が公開されるなど、OGLを活かした派生ルールも出された。
Gypsy Knights Gamesの「Clement Sector」シリーズは、『Wendy's Guide 第5巻』『Manhunters』『Grand Safari』『Anderson & Felix Optional Components Guide』『Unmerciful Frontier』『21 Organizations 2nd Edition』『Hercules-class Heavy Freighter』と快調に出されたものの、同社が秋以降に新作ゲーム『Action Movie Physics』に注力したため、9月発売の『Hell's Paradise』の次が12月発売の『Artificial』と月刊ペースが崩れてしまった。
Zozer Gamesは昨年末開始の「Hostile」シリーズを展開。宇宙ステーション資料集『Pioneer Class Station』、異星生物設定集『Alien Breeds』、無料設定資料集『HOSTILE Technical Manual』、海兵隊資料集『Marine Corps Handbook 2215』、初のシナリオ『Hot Zone』、加えて同一時間軸の地球上を描いた独立ゲーム『Zaibatsu』が出された。Zozer Gamesは他に、『Fast Magic』『Archaic Firearms』『Low Tech Weapons』とCE用ファンタジー系資料集も出している。
Stellagama Publishingは看板の「TSAO」シリーズ自体はシナリオ『Signal 99』のみに留まり、『Trauma Surgery』『Cybernetics』『Uranium Fever』『Piracy and Privateering』、そして前述の『Cepheus Light』『Cepheus Light: Traits』といったルール面の開発・拡張に力を注いだ。
Baggage Booksが参入。星系内ジャンプ技術で太陽系の隅々まで冒険の舞台とした『Into the Dark』、異星人によって地球から追放された人類の末裔がTL5装備と謎の「ゲート」で銀河系を探検する『Outcast』といった独創的な設定集を発売。
また今年もMichael Brownによるショートシナリオの数々や、FSpace Publicationsによるデッキプラン集が出され、Azukail Games、CyborgPrime Publishing、Alphecca Publishing、Tangent Zero、Old School Role Playing、Verdigris Pressといった新規参入社も加わった。

Battlefield PressがKickstarterで募っていた『Spacecraft 2000 to 2100 AD (40th Anniversary Reprint)』が資金調達に成功する(ただし残り15時間で7%足りないというギリギリの状況だった模様)…が、Chepheus Engine版「Terran Trade Authority RPG」の制作には額が届かず(Starfinder版は制作決定)。ちなみに同社のCepheus Engine化資金募集は、2016年の「Double Spiral War(Expanded Edition)」、2017年の「Cold Cash War」に続いてこれで3連敗となった。
Mongooseが乗り込み戦ミニチュアボードゲーム「Vanguard: Boarding Actions in the Fifth Frontier War」の資金募集を始めるも、目標額に到達する見込みが立たずに5日後に中止。
Horizon Gamesによるデジタル版『Traveller Customizable Card Game』の資金募集が始まるも、こちらも目標額に到達する見込みが立たずに期限まで5日を残して中止。
2016年7月発売予定だった『Squadron Strike: Traveller』が、2年遅れでようやく販売にこぎつける。

隔月刊ファンジン『Freelance Traveller』の第90号(11/12月号)が、編集人の身内の不幸により欠番となる。第91号(2019年1/2月号)は12月29日に無事発刊。
エンプティ・クォーター宙域専門誌『Stellar Reaches』は2016年冬以来となる第27号(2018年春号)が発行されたが、なぜかファイルが22分割されるという謎の構成で困惑させられた(200頁越えしているとはいえ…)。
Robert Pearceによる非公式デッキプラン集『Starship Geomorphs』が話題を呼ぶ。特定の船・建物の内部構造を表すのではなく、モジュール単位で様々な用途のデッキプランを自由に組み合わせられるのが最大の特徴。
いつの間にか当サイトがWikipediaの「トラベラー(TRPG)」の項目に掲載されていた(笑)。

 2019年も各社で様々な新作が計画されており、まだまだ我々を楽しませてくれそうです。特に今年は日本語版(ホビージャパン版)発売35周年にあたる年でもあり、当方も頃合いを見て何かしらの企画を……できたらいいですねぇ(大汗)。

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